金唐革(きんからかわ)は14世紀のスペインで盛んに作られ、その後イタリアやオランダで作られるようになった、凹凸文様が金色に輝く革の装飾品です。
17世紀頃の江戸時代になると日蘭貿易によって金唐革が日本に入ってくるようになり、
徳川家、大名などへの献上品として、鏡箱、鞍や鐙などの装飾に使用されました。
その後、商人にも伝わり、金唐革の煙草入れは当時の粋な持ち物として、大変もてはやされました。
これを基に、江戸時代には日本の紙(和紙)を使って再現し始めた擬革紙(ぎかくし)が作られ、
明治期にさらに大判として壁紙として使用される事になった金唐革紙(きんからかわし)が生み出されました。日本で作られた金唐革紙は、外国の商社を通じて海外に輸出され、ヨーロッパや北米、オセアニアなど世界の国々の建物を飾りました。
日本国内でも明治建築の洋館などに多く使われたと思われますが、現在、金唐革紙が残っている建物は大変少なく、大変貴重なものとなっています。